ほたるいか(蛍烏賊)について
胴長約4~7㎝の小型のいかで、体表に多数の発光器をもち、名前のとおり発光するいかで知られています。
オホーツク海から日本海、および駿河湾以北の水深200~1000mの深海に棲みます。
産地としては富山県が有名。しかし、最近では山陰但馬海岸が漁獲量では上回っています。
命名したのは・・・
明治38年にほたるいかを研究中だった渡瀬庄三郎博士(東京帝国大教授)がまるで蛍のように美しく発光するイカという意味で「ほたるいか」と名づけ通称になりました。
漁獲時期
3月~5月(山陰但馬地域では早いときは1月頃から漁が始まります)特にお薦め時期は、卵をたくさん抱えた4月下旬~5月にかけてです。
漁獲方法
山陰海岸・・・昼間に底曳き網で漁獲
昼間、暗いところを好んで生息するほたるいかの特性を生かして底曳き網で漁をしています。漁師さんによると、天気が良いと豊漁、曇りや雨だと不漁と言われています。
富山湾・・・早朝定置網で漁獲
日も空けきらぬ未明に産卵の為に接岸してくるほたるいかを定置網で漁をしています。
ほたるいかの寿命はほぼ1年
産卵された卵は、約2週間で孵化し、その後成長を続け翌年の2月頃に交接シーズンを迎え、4~5月頃に産卵、その後力尽きて一生を終えると考えられています。
ほたるいかの特徴発光について
光を発する発光器は3種類あります。光は、冷光でルシフェリンという物質にルシフェラーゼという酵素が働いて発光するようです。
① 腕発光器(威嚇の為に使用)
刺激を受けると強い光を放つ最も特徴的な発光器です。長い一対の腕(第四腕)の先端に3個ずつある大型の発光器。青緑色で透明度の強い光を出しその明るさは、蛍の10倍という強さです。
② 眼発光器
まだどのような時に発光するかはなぞのようです。眼球の腹側に一列に並ぶ5個の中型の発光器。弱い黄白色の光を出します。
③ 皮膚発光器(外敵から身を守る為に使用)
薄明かりの中で体の影を消す為(注1)に役立っています。外套、頭部、漏斗と第3、4腕にあり腹側を中心に約1000個程度分布する小型の発光器。弱光で、青紫色に黄白色が混ざった光を出します。
ほたるいかの見分け方
生の場合体長の色の変化で見分けます。身も足も透明で光っており、内臓のオレンジ色が透けて見えるのもが新鮮です。鮮度が低下するに伴い身も足も白色に変化します。 ボイルの場合は、身が丸々と太ってつやがありはちきれそうなものを選んでください。
生食には注意!!
生で食する場合は内臓を取り除きましょう。
ほたるいかの一部に内臓に有害な「旋尾線虫」という寄生虫が住み着いているものがあります。寄生している比率は7%(年度や漁獲海域によって多少異なるようです)これを生で食べると「腸閉塞」「皮膚病」をおこす可能性があります。
でもご安心を!この寄生虫は沸騰水に約30秒投入し加熱する、もしくは-30℃×4日以上冷凍すると死にます。だから市販されているボイルした「ほたるいか」や佃煮は問題ありません。また、弊社の沖漬けも寄生虫対策として冷凍処理をしており問題ありません。
ほたるいかの味・栄養
ほたるいかの身はあっさり淡白な味。一方内臓はうまみの成分であるアミノ酸が多く甘みが強いので、はらわたごと味わうと美味しいです。生ならコリッとした歯ざわり、茹でればむっちりとしたうまみが楽しめます。 内臓には、ビタミンA・Eはうなぎなみに豊富に含んで、カロリーは半分以下。低脂質でEPA、DHAの比率も高く健康の為にも良いです。また、血中コレステロール値を下げるタウリンが豊富です。